遺産分割前の預貯金の払戻し制度

 

相続される預貯金は遺産分割の対象になるため、相続人全員の同意がなければ、葬儀費用や扶養を受けていた配偶者の生活費など遺産分割が完了するまで亡くなった方の預金から引き出すことはできませんでした。

 

令和元年7月1日施行、預貯金が遺産分割の対象となる場合、各相続人は遺産分割が完了する前でも、一定の範囲で預貯金の払い戻しを受けることができるようになりました。

 

 

 

 

下記のいずれかの方法により遺産分割前に相続財産の預貯金の一部を引き出せるようになりました。

1. 家庭裁判所の判断を経なくても、預貯金の一定額まで金融機関から支払いをうけられる。

 



こちらは、限度額が定められているので少額の資金が必要な場合に用いることになるものと考えられます。

 

 

 

2. 家庭裁判所が仮払いが必要と判断した場合払戻しを認める。

こちらは、限度額を超える比較的多額の資金が必要な場合に用いることになるものと考えられます。