身寄りのない方の安心終活ガイド(終活支援、死後の手続き相談)
はじめに
現在、わが国は65歳以上の一人暮らしの方、男女ともに増加傾向にあり2015年には65歳以上人口に占める割合は男性13.3%、女性21.1%となっています。(出典 内閣府令和元年版高齢社会白書)
そして、内閣府の平成29年版高齢社会白書によると2025年には認知症患者数が65歳以上で5人に一人になるとの推計があります。
核家族化や高齢化が進み家族や近所付き合いが減っていき日常的に人との関わりがなくなり、ご高齢者の消費者トラブルや孤独死が増えています。
このような、ご高齢者の消費者トラブルや、孤独死をなくすために安心して生活できるように家族や友人、専門家と生前契約を結びます。
このような老後の不安ありませんか?
「孤独死するのはいやだ!」
「けがや入院した時に頼れる人がいない。」
「自分が死んだあと、周りの人に迷惑をかけたくない。」
このような不安がある方は将来に備えて生前契約を検討してみませんか。
老後に備える生前契約が必要な人ってどんな人?
・1人暮らしで身寄りがいない70代以上の男女の方。
・子供が2人以上いて、将来面倒を見てもらうと決めている子がいるまたは仲が悪い子がいる方。
よくある事例。
長女が同居して母親の面倒を見ていたが、次男がこっそり連れ出して法定後見の申し立てをしてしまい面識もない専門家が後見人になった。
結果、長女が母親の面倒を見れなくなった。相談してた専門家でもなく、会ったこともない本人との信頼も築けないような専門家が後見人に就いて嫌な思いをした。
こうならないようにするには長女と任意後見契約を結びましょう。
・子供がいないから、おいやめいに面倒を見てもらいたい方。
おいやめいは少し遠い親族であり本人と同居もしていないので、任意後見契約を結んでいた方が良いかもしれません。
・親族が遠くに住んでる方。
親族が遠方に住んでいると緊急時に駆け付けるのは難しいです。
前もって近場にいる信頼できる方と生前契約を結び、不測の事態に備えて話し合っておいたほうが良いかもしれません。
老後に備える生前契約のイメージ
事例
・70代一人暮らしの女性。
・家族や親せきが近くにいない。
今はすこぶる元気だが、もし自分に何かあったらと考えると今後が不安なので、行政書士に相談してみた。
70歳
①「見まもり契約」
②「財産管理委任契約」
③「任意後見契約」
④「死後事務委任契約」
4つの契約を行政書士が作成し受任者としても契約した。
判断能力も問題ないし体も元気なので①「身まもり契約」を発効した。
将来、後見受任者になる行政書士が月1回ご本人の自宅に訪問し健康状態や生活状況を確認し、お困りごとの相談などをした。
80歳
転んで足をけがして家で1人で生活するのが難しくなった。
その為、行政書士と一緒に老人ホームを探した。
高齢者施設への入居についてはこちら「身寄りのない高齢者の住まいとは?」をご参考になさってください。
高齢者施設の選び方についてはこちら「身寄りのない高齢者の住まいの選び方は?」をご参考になさってください。
老人ホームに入りヘルパーさんと買い物はできるが、たまに通帳を失くしたり、お金の振り込み方がわからなくなりお金の管理が難しくなった。
また、足が悪く自分で銀行に行くのもつらいので受任者である行政書士に申出して②「財産管理委任契約」を発効し、お金の管理をお願いした。
85歳
認知症になり判断能力が低下してきた。
暴言を吐いたり、通帳を盗まれたと騒ぎだしたりしてきたので、任意後見受任者である行政書士は財産管理委任契約から③「任意後見契約」へ移行した。
受任者が不正をしないように裁判所が監督人を選任した。
受任者である行政書士は引き続き財産管理や医療施設関係手続等を行い、監督人に事務処理を報告しチェックを受ける。
90歳
④「死後事務委任契約」を発効し葬儀の手配や、入院費の支払い、施設の費用の支払い、生活用品の処分などを行った。
死亡届など役所に届け出するもの一切の事務処理を行った。
財産を確定し相続人等へ財産を引き渡した。
その他
「尊厳死宣言公正証書」
家族や医療関係者に伝えるものです。
老後に備える生前契約の種類
契約にはいくつかの種類があります。
生前のためには事務委任契約(見守り、財産管理など)があり、判断能力が低下したときのためには任意後見契約があります。
死後のためには死後事務委任契約や公正証書遺言などがあります。
これらの契約には、一般的な私文書で済むものと、公正証書が必要なものがあります。
公正証書での作成が必須ではない契約書でも、契約の信頼性を高めるために公正証書は有用です。
また、専門家に依頼する場合は、契約書の作成料やサポート費用がかかります。
公正証書を作成する場合は、さらにその手数料も必要です。
1. 見まもり契約
見守り契約とは、判断能力が低下していない高齢者が、一人暮らしで何かあったときに気づいてもらいたい場合に交わす契約です。
この契約は、高齢者が安心して生活できるように、定期的に連絡を取ったり訪問したりして、健康状態や生活状況を見守るものです。
特に、一人暮らしの高齢者や近くに頼れる家族がいない方にとって有効な対策です。
2. 財産管理等委任契約
高齢や病気、事故により判断能力は十分だが車いす生活になってしまったり、寝たきり状態になってしまった場合、自身の財産管理が難しくなります。
その場合、家族や友人、信頼できる人に銀行でのお金の出し入れや振り込み、病院での入退院手続きなどをしてもらいます。
何かをしてもらう都度、委任状を用意する手間を省けるように、財産管理に関する契約書を作成し、通常はその契約書だけで対応できます。
注意すべきポイントとして、契約書を相手に預けてしまうと、勝手に代理行為が行われる可能性があることや、不動産などの重要な取引には別途委任状が必要な場合があることが挙げられます。
自身の判断能力が十分なうちに、信頼できる人に委任し、委任の内容や期間を具体的に限定することが重要です。
また、将来的に判断能力が低下する可能性を考慮し、できるだけ次の任意後見契約も検討し、それを公正証書で作成しておくと安心です。
何を委任するかは原則ご本人の自由です。
主な委任事項は
- 不動産、預貯金の保存、管理、処分に関すること
- 保険契約に関すること
- 生活に関すること、物品の購入に関すること
- 入院、介護施設の契約に関すること
- 登記、税務申告に関すること
などが挙げられます。
3. 任意後見契約
任意後見契約は、判断能力が十分ある時に、将来判断能力が低下したときに自分の後見人になってもらう人を決め、代理してもらいたいことをあらかじめ決めておく契約です。
任意後見契約は必ず公正証書で行います。
ご本人が認知症などで判断能力が低下した場合、自分の生活、療養監護、または財産管理について、親族や知人、信頼できる人(任意後見受任者)に代理権を与え、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時に効力が生じる契約です。
任意後見人は、ご本人から預金通帳やキャッシュカードを預かることにより紛失や悪徳商法から守ります。
任意後見人が不正を行わないように任意後見監督人がチェックしますので安心です。
任意後見人の職務
任意後見人とは、判断能力が低下した本人を支援をする人のことです。
財産管理、身上監護に関することを行います。
主に下記のような代理権を判断能力が低下する前にご本人と相談して代理権目録を作成し、財産管理や医療関係の手続きを行います。
- 不動産預貯金等の財産の保存、管理、処分に関すること
- 保険契約に関すること
- 定期的な収入の受領、定期的な支出を必要とする費用の支払いに関すること
- 生活費の送金、物品の購入その他の日常関連取引に関すること
- 医療契約、入院契約、介護契約、福祉施設への入退所契約に関すること
- 登記済権利書、印鑑、各種カード、有価証券、年金関係書類その他重要書類の保管及び各事務処理に必要な範囲内での使用に関すること
- 登記及び供託の申請、税務申告、戸籍住民票の請求に関すること 等
任意後見人の職務でないもの
・家事や介護のこと。家事や介護はヘルパーさんがサポートします。
・手術や生命に関わるような医療行為の同意はできません。
・施設入所時に必要な身元保証人になれません。
・一身専属的な行為。結婚、離婚や認知などの意思表示などはできません。
・亡くなった後の事務に関することはできません。
任意後見契約のポイント
● 将来判断能力が低下したときのために、判断能力が十分な時に結ぶ契約である。
● 本人が自分で将来後見人になる人を決める。
● 将来代理してほしい行為を自由に決められる。
● 必ず公正証書によって作成する。
● 任意後見契約は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時に契約の効力が生じる。
● 任意後見人に就任したら、財産目録を作成し公正証書で定めた時期に監督人に対して収支報告書の提出等の現状報告をする。
● 契約書を作成した時からスタートするわけではない。
● 任意監督人が選任されると別途報酬が発生する。
成年後見人と身元保証人は、同じではありません。
よく勘違いされます。
詳しくは、「身元保証人と後見人は何が違う?」をご覧ください。
身元保証人については、「身寄りのない高齢者のための身元保証サービスを知ろう」をご覧ください。
4. 死後事務委任契約
死後事務委任契約とは、ご本人が第三者に対して、亡くなった後に必要な葬儀、火葬、納骨、その他の諸手続きを委託する契約です。
簡単に言うと、ご本人が亡くなった後、死後の事務手続きをおこなってもらうための契約です。
通常、亡くなった後の手続きは相続人や親族が行いますが、まかせられる家族や頼れる人がいない場合は、第三者に頼る必要があるため、死後事務委任契約が必要になります。
頼れる第三者が見つからない場合は、最近では死後事務を代行してくれる業者が増えているので、そうしたサービスも検討してみましょう。
また、死後事務委任契約を締結する際は、死後の事務処理のために「預託金」としてまとまった費用を受任者に預けておくこともあります。
遺言書の中に死後事務について記載しても、遺言の法定事項ではないとされています。
その為、別途、死後事務委任契約を締結する必要があります。
死後事務委任契約の主な内容
- 葬儀社の手配、葬儀、火葬、埋葬、納骨、永代供養、海洋散骨、直葬、家族葬、献体に関する事務
- 入院費、福祉施設費用の支払い
- 親族、関係者への連絡
- 電気、ガス、水道等の清算、解約手続き
- 行政機関での諸手続き
- 飼われてるペットの処遇について
- SNSの削除又は閉鎖 等
身寄りのない方が亡くなられた場合、死後事務委任契約書がないと、葬儀・納骨の問題、入院費や高齢者施設の費用の問題、デジタル遺品の問題が発生する可能性があります。
葬儀については「身寄りのない方が亡くなった場合の葬儀は?」をご覧ください。
デジタル遺品については「身寄りのない方が亡くなった場合の遺品整理は?」をご覧ください。
5. 尊厳死宣言公正証書
病気などでご本人が意思表示できない状態に陥ったときに、人工呼吸器や心臓マッサージなどの延命措置は行わないで、病気の苦痛を和らげる処置を最大限にしてほしいという宣言書です。
人間として尊厳を保った自然死を望むためのものです。
トラブルを防ぐために公正証書にしましょう。
尊厳死宣言書は家族や、医療関係者に自分の意思を明確にするものです。
法的拘束力はありませんが急に死が差し迫った状態になった時に家族はどう判断すればよいか迷います。
その時に尊厳死宣言書があるかないかで家族の負担は大きく違います。
ご家族や親族に頼ることができない方は、緊急事態に備えるために「リビングウィル=終末期の医療に関する意思表示書」を作成して第三者に託しておくことが重要です。
詳しくは、「身寄りのない高齢者の延命治療とは?」をご覧ください。
身寄りのない方または家族に頼りたくない方は、こちら「身寄りのない方が終活に必要なこと」もご覧ください。
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