身寄りのない高齢者が亡くなってもペットが安心できる終活・相続方法とは?
ペットと人間の寿命は異なります。
飼い主さんが生前のうちにどうにかしなければ、ペットたちの命を救うことはできません。
多くの飼い主は「自分にもしものことが起きたら、この仔たちはどうなるのだろう。もしかしたら殺処分されてしまうかもしれない。」と不安に思っていることでしょう。
そのため、今のうちに何か対策を講じなければならないと考えているはずです。
しかし、一方で、飼い主としてはペットと一緒に生活したいという気持ちも強いのではないでしょうか。
長年ペットと共に暮らしてきたものの、自分の年齢を考えると手放したり、新しいペットを迎えるのをためらってしまう方も多いかもしれません。
このような高齢者である飼い主さんのために、ペットの将来を安心して託せる終活・相続対策をご紹介します。
この対策を通じて、飼い主が安心してペットと共に生活し続けられるよう、そして万が一の時にもペットが安全に暮らせる環境を整えることができます。
ペットがいる場合の終活・相続方法
ペットを飼っている方にとって、終活・相続対策の一環として考えておくべき重要なポイントは、自分が高齢になりペットの世話が難しくなった場合や、自分が亡くなった後にペットをどうするかということです。
代表的なペットに関する終活・相続対策をご紹介いたします。
1. 遺言書の作成
メリット
遺言書にペットの引き渡し先や世話の方法を明記することで、ペットの将来が保証されます。
公正証書遺言などの形式で作成することで、法的に有効な指示となります。
デメリット
遺言書で指定された受け取る者がペットの引き取りを拒否する可能性があります。
公正証書遺言の作成には費用と手間がかかります。
2. 負担付き遺贈
メリット
条件付きの遺贈をする遺言書を作成し、ペットの世話を条件として財産を譲ることで、受け取る者にはペットの世話をする義務が発生します。
受け取る者は条件を守らなければならないため、ペットの世話が確実に行われます。
デメリット
受け取る者が条件を受け入れない場合もあるので、ペットの世話を確実に行われるとは限りません。
負担付遺贈の手続きは複雑で、専門家の助けが必要になることがあります。
3. 負担付き死因贈与
メリット
負担付き死因贈与契約とは、贈与者(ペットの飼い主)が受贈者(ペットの世話を引き受ける人)と生前に契約を結び、贈与者の死亡時に財産を譲る代わりに、受贈者がペットの世話をする義務を負うものです。
負担付き遺贈よりは確実です。
基本、負担付遺贈は一方的な遺言で可能ですが、負担付死因贈与は契約であるので、お互いに合意し、特段の事情がない限り撤回することはできません。
ペットの世話を条件とするため、受け取り手がペットの世話を確実に行います。
デメリット
契約の内容が複雑で、詳細な取り決めが必要です。
契約の作成には費用がかかることがあります。
4. ペット信託
メリット
飼い主が亡くなった後も、ペットの生活が保障され、高齢者でも安心してペットを飼うことができます。
信託財産の利用状況、ペットの飼育条件、適切に飼育されているかどうかを確認するために、信託監督人を選任することができます。
信託財産はペットのためにしか使用できないため、財産が他の目的に流用される心配がありません。
デメリット
新しい飼い主さんを見つけなければなりません。
手続きが煩雑なため、専門家の手配が必要です。
総合的に多額の費用がかかります。
5. 生命保険信託型のペット信託
メリット
飼い主さんが生命保険に加入し、飼い主さんが亡くなった際に保険金が支払われ、その保険金を用いてペットの飼育費用が賄われる仕組みです。
この方法では、最初に多額の資金を用意する必要がありません。
経済的負担が軽い。
デメリット
年齢や健康状態により生命保険に入れない場合があります。
受益者(保険金を受け取れる団体)になるには条件があるので、希望する団体を指定できるとは限りません。
6. その他の方法
① ペットと一緒に暮らせる高齢者住宅や老人ホームを探す
最近では、ペット可の施設も増えてきていますが、まだ数は限られています。
②老犬老猫ホームを探す
安心して預けられますが、費用がかかることが多く、施設によってはケアの質も環境も異なります。
ホーム数もまだ少ないです。
③ 里親募集のサイトで探す
やむを得ない場合は、動物愛護相談センターや動物病院へ相談してみましょう。
引き取ってもらえることもあります。
おすすめは、信託を利用したペット信託です。
特に経済的負担が軽い、生命保険信託を利用したペット信託です。
遺言書や負担付き死因贈与では、実際にはお金だけを受け取ってペットの世話をしっかりとしてくれないなどのトラブルもあります。
しかし、信託契約では信託監督人を選任し、ペットの飼育状況や信託財産の利用状況を監督してもらうことができるため、ペットの世話が確実に行われるので安心です。
身寄りのないおひとり様の方は、ペットを任せることのできる信頼できる人がいないかもしれません。
特にそのような方には、生命保険信託を利用したペット信託が適していると言えます。
ペット信託を利用することで、飼い主が亡くなった後もペットの飼育費や世話が確実に行われるように管理され、ペットが安心して過ごせる環境を提供することができます。
生命保険信託でペットの未来を保証する方法
全国初のペットの看取りサービス「ラブポチ信託®」
大手生命保険会社が提供する「生命保険信託」サービスを利用することで、飼い主が亡くなった後のペットの飼育費を生命保険で賄うことができます。
しかし、持病や年齢制限により保険に加入できない飼い主さんもいます。
そのような場合、遺産をペットの飼育費に利用できる遺言書を作成することで、飼い主が亡くなった後もペットが健やかな生活を送れるようにすることが可能です。
これは全国初のペットの看取りサービスです。
このようなお悩みの場合にご活用いただけます。
● 自分が亡くなったらこの仔はどうなるんだろうか…
● 自分が病気になったら誰が面倒を見てくれるのか…
● あの仔を迎えたいけど、もう自分は高齢だから…
このようなお悩みを解消してくれるのが、認定NPO法人ピーサポネットの「ラブポチ信託®」です。
飼い主さんが亡くなり残されたペット達は、全国の優良な老犬老猫施設へ一生涯施設で過ごすことが約束されています。
飼い主さんが長期入院したり介護施設に入所したときも、全国の優良な老犬老猫施設で面倒を見てくれます。
たとえ、飼い主さんが高齢であっても安心してペットを迎え入れられることができます。
飼い主さんが亡くなられた場合の仕組み
<飼い主さんが生命保険に加入できた場合>
生前に飼い主さんに生命保険に加入してもらい、信託会社や信託銀行と信託契約を締結します。
また、飼い主さんとピーサポネットで死因贈与契約を締結します。
飼い主さんが亡くなると、保険会社は信託会社に保険金を支払い、信託会社や信託銀行は信託契約に基づいてピーサポネットに保険金を交付します。
その後、死因贈与契約書に基づき、ピーサポネットがペットの飼い主となります。
病気の犬や猫は老犬老猫施設に預けられ、その飼育費は保険金から支払われます。
若い犬や猫については、里親を探し、里親が見つかるまで提携の老犬老猫施設で飼育されます。
<飼い主さんが生命保険に加入できなかった場合>
飼い主さんが高齢やご自身の健康状態の問題で生命保険に加入できない場合は、ペットの終活について専門知識を持っている「ペット相続士」という資格を持つ専門家を派遣し、負担付遺贈の遺言書を作成してもらいます。
飼主さんが長期療養入院や介護施設に入居した際にも対応してくれますので安心です。
「ラブポチ信託®」がおすすめな理由
ラブポチ信託は、生命保険を活用し、その保険金を信託財産としてペットの飼育費に充てる仕組みです。
これにより、飼い主の経済的負担が軽減されるという利点があります。
さらに、ラブポチ信託の手続きが簡単である点もメリットです。
本来であれば、遺言書の作成など、様々な手続きを飼い主自身が行う必要があります。
しかし、ラブポチ信託では、これらの手続きを専門家であるペット相続士がサポートしてくれるため、手続きが簡便になります。
一方で、デメリットとしては、ラブポチ信託を提供しているピーサポネットが比較的新しい組織であるため、取り扱う「ペット相続士」がまだ少ないことです。
この点については、今後のサービス拡充と信頼性の向上が期待されます。
その他のサポートとして、ひとり暮らしの高齢者がペットと一緒に暮らしている場合、飼い主さんが部屋の中で急死し、発見されるまでに時間がかかると、ペットは最悪の場合餓死してしまうリスクがあります。
このような事態を防ぐために、別途有料サービスとして「安否確認サービス」も提供しています。
最後に
研究によると、犬を飼う高齢者は認知症の発症リスクが約40%低いことが示されています。
また、高血圧の患者においても、ペットの飼い主は心拍数や血圧が安定しやすいという結果が報告されています。
詳しくは、「ペットと高齢者の共生で健康と幸福を実現する方法」をご覧ください。
これらの健康効果を考慮すると、引き取り手のないペットを殺処分するのではなく、高齢者がペットと共に暮らせる環境を整えることが重要です。
特に、身寄りのない高齢者が安心してペットと暮らし、亡くなった後もペットが適切にケアされる環境を整えることが求められます。
そのためには、法的整備の強化や資金確保の手段の普及、社会的認知の向上が不可欠です。
具体的には、ペット信託の活用やペットの里親制度の強化などが必要です。
これにより、高齢者が安心してペットと共に暮らし、ペットもまた安心して新しい生活を始めることができるでしょう。