死後手続&身元保証で老後の不安解消!終身サポート事業者一覧
日本では少子高齢化が進む中、身寄りのない高齢者や単身世帯が増加しており、日常生活、医療、介護、さらには死後の手続きに至るまで、自身で対応することが難しくなっています。
そのため、高齢者等終身サポート事業者の重要性はますます高まっています。
高齢化社会において、身寄りのない高齢者や単身世帯の方々が安心して老後を過ごすためには、信頼できる高齢者等終身サポート事業者を選ぶことが不可欠です。
多くの事業者が存在する中で、あえて厳選し、代表的な事業者を独断と偏見で解説しておりますので、ご了承ください。
事業者選びで失敗しないための重要なポイントと成功の秘訣
サービス内容は主に「入院・入居時の身元保証」「死後の事務手続き」「日常生活支援」の3つに分かれています。
これらは単独で提供される場合もあれば、パッケージ形式で提供されることもあります。
基本的な支援内容はどの事業者もほぼ同じですが、一部の事業者では葬儀の手配のみを行うところや、医療の意思表示書を扱わないところもあります。
また、費用や預託金の管理方法、寄付金の受け取りの有無にも違いがあります。
事業者に資料を請求した後、十分にご検討ください。
信頼できる事業者選びの重要なポイント
1. 倒産や経営困難が発生した際に、預託金が保護されること
事業者が倒産した場合に預けたお金がどうなるかは、事業者の利用を検討しているみなさまにとって重要なポイントです。
預託金は、資金決済に関する法律で、原則として供託、保全契約、または信託契約によって保全することが義務付けられています。
ガイドラインでも、信託銀行や信託会社を利用して保全することが望ましいとされています。
これらの方法以外では、倒産や経営困難が発生した際に、預けたお金が保護されないリスクがあります。
例えば、「○○士事務所が監査しています」や「○○士事務所が管理しているので安心」といった説明だけでは、必ずしも安心とは限りません。
また、過去には財産管理に関する不正や横領事件が多く発生しているため、必ず事業者に管理方法を確認してください。
2. 直接寄付金(遺贈、死因贈与)を受け取っていないこと
契約時に、本人の死亡後に事業者へ寄付(遺贈、死因贈与)するという内容が含まれていると、事業者側は「亡くなればどうせお金は自分に入るから、今引き出しても問題ない」と考えるかもしれません。
これが横領のきっかけになることがあります。
少しずつお金が引き出され、後に家族が通帳を確認した際、事業者による不正が発覚して事件に発展するケースもあります。
特に、終末期の高齢者は非常に弱い立場にあり、頼りにしている事業者に見捨てられてしまわないかという不安から、財産の処分について話す際に、自然と事業者に財産を譲る話になりがちです。
そして、事業者が財産を受け取ってしまい、後で問題になることもあります。
なぜ寄付(遺贈、死因贈与)を受け取ってしまうかというと、寄付を受け取らないと運営が成り立たない業態になっているからです。
実際に、寄付を受け取っている大手事業者も、寄付金がなければ運営が困難であると発言しています。
寄付を受けとるすべての事業者が悪いわけではありません。
しかし、健全な高齢者等終身サポート事業者であれば、寄付を必要としない運営体制が整っているため、このようなリスクは生じません。
以上の2つの重要なポイントを踏まえて、信頼性の高い高齢者等終身サポート事業者を慎重に選びましょう。
健全な運営体制や透明性のある管理方法を提供している事業者を選ぶことが、安心してサービスを利用するための大切な要素です。
あわせてこちらもご覧ください。
「身寄りのない高齢者のための身元保証サービスを知ろう」
士業系の高齢者等終身サポート事業者
一般社団法人身元保証相談士協会
現在全国100拠点、国内唯一かつ最大級の士業と介護事業者を中心とする身元保証団体です。
身元保証相談士協会は、内閣府の孤独・孤立対策推進本部が作成した「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(案)」において、総務省行政評価局から数回にわたりヒアリングを受け、資料提供を行っています。
当協会が提供した内容がガイドライン全体に反映されたことで、当協会のサービスは非常に高い信頼性と安心・安全を得るものとなっています。
その結果、健全な高齢者終身サポート事業者としての評価が高まり、利用者が安心して依頼できる信頼性の高いサービスとしての地位を確立しており、業界内で国内スタンダードとなることを目指しています。
特徴
● 母体は士業事務所。
● おひとり身の高齢者に対する健全な法律関連サービスを提供できる専門家「身元保証相談士」を育成し、全国の身寄りのないご高齢者に身元保証・連帯保証・死後事務などのサービスを提供している。
● 法律家による身元保証の仕組みを2011年に日本で初めて作った。
● 不正防止や業務履歴の管理を目的とした独自の業務管理システムにより、身元保証相談士の業務を適切に管理・監督している。
● 当協会の身元保証業務に限らず、他事業者の身元保証に関する相談にも対応する「身元保証110番」を設置している。
● 第三者管理による信託口座で、倒産や経営困難な状況になった場合でも、預託金は保護されるので安心。
● 寄付を受け取らない。
サービスプラン
身元保証スタンダードプラン
老人ホームや高齢者住宅への入居時の身元保証、病院への入院時の身元保証、ご本人がお亡くなりになった際の相続手続きや遺品整理、葬儀・供養の手配を行います。
⦿ 老人ホームでの対応
①運営懇談会の対応 ②薬剤師からの薬の報告 ③小口の補充 ④ケアプランの確認 ⑤入院の手配や病院の付き添い連絡
⦿ 病院での対応
①入院に病院への訪問 ②入院の手続き代行、入院時の頭金の支払い ③医師との面談(状況報告を受ける) ④医師との面談(治療方針の確認)⑤手術の同意 ⑥終末期の方針確認 ⑦医師との死亡確認 ⑧身元引取り
⦿ 死後事務の対応
①葬儀の手配 ②葬儀プランの打合せ ③斎場と日程調整 ④親族への連絡 ⑤火葬後の収骨 ⑥納骨と霊園の手配 ⑦葬儀・供養・医療費の支払い ⑧病院のお部屋の片づけ ⑨老人ホームのお部屋の片づけ ⑩年金停止の手続 ⑪クレカや身の回りの精算 など…
葬送支援あんしんパック らくしご / らくしごパック
“おひとり様”の問題の中で、最も周囲に迷惑をかけてしまうといわれる「葬儀・供養の手配」や「お部屋の片づけ」を解決する死後事務委任契約サービスです。
まとまったお金を預ける預託金一括払いプランのほか、多額の一時金を準備するのが難しい高齢者のために、生命保険を活用した月払い方式のプランもご用意しています。
追加契約により、「入院時・緊急時の身元保証サービス」や「サービス付き高齢者向け住宅・賃貸住宅入居時の連帯保証サービス」も提供しています。
【引用】:一般社団法人身元保証相談士協会
一般社団法人全国シルバーライフ保証協会
全国シルバーライフ保証協会は、高齢者生活支援サービス「オーカスタイル」を提供し、高齢者の「連帯保証人」や「身元引受人」として、ご希望の施設への入居をサポートし、安心・安全な生活を支援しています。
さらに、葬儀や納骨の手続き、遺言書作成のサポートも行い、高齢者が安心して生活できるよう、トータルでサポートしています。
特徴
● 母体は士業事務所。
● 東京・北海道・宮城・福島(3拠点)・愛知・京都・滋賀・大阪・岡山・広島・福岡の全国13拠点。
● 司法書士・行政書士をはじめとした各専門家が連携して対応。
● 施設入居時や入院時の金銭債務に対する連帯保証のみを希望される方には有益。
● お預かりした預託金は信託会社に保管され、倒産や経営困難な状況になった場合でも、預託金は保護されるので安心。
● 寄付を受け取らない。
サービスプラン
保証プラン
1. 基本保証プラン
有料老人ホームの身元保証や自宅生活の万が一に備えたい方のためのプランです。入居・入院時の身元保証から意思能力の低下時、さらにはご逝去後までトータルでサポートいたします。
2. 基本保証ライトプラン
すでに成年後見の保佐人・補助人がいるもしくは任意後見契約を締結済みで開始していないお客様向けのプランになります。後見人が対応できない施設入居・入院時の連帯保証や日常生活の委任事務を行います。
3. 葬儀信託プラン
葬儀の形式、お墓の手配、葬祭に関わる費用、官公庁の届出手配などをお任せしたい方向けのプランです。葬儀から葬儀後の手続きまでを信託します。
4. 連帯保証プラン
すでに成年後見の保佐人・補助人がいるもしくは任意後見契約を締結済みで開始していない又は、 すでに法定後見人もしくは任意後見人がいるお客様向けのプランになります。後見人が対応できない施設入居・入院時の連帯保証を行います。
オーダーメイド終活 カナエル
オーダーメイド終活「カナエル」は、死後の手続きを事前に取り決めておくサービスです。
葬儀の手配や役所への届け出、財産・遺品の整理など、細かい手続きを代行する死後事務委任契約を生前に結ぶことで、希望する死後のサポートを受けることができます。
個々のニーズに応じた「初期対応パック」「葬儀納骨パック」「手続代行パック」が用意されており、安心して終活を進めることができます。
【引用】:一般社団法人全国シルバーライフ保証協会
企業系の高齢者等終身サポート事業者
想いコーポレーション株式会社 / 一般社団法人 終活協議会
一般社団法人終活協議会は、老後や死後の不安を抱える方々に向けて、終活に関する多様なサービスを提供しています。
専任のコンシェルジュが個別に対応し、身元保証や死後事務の代行、資格講座の提供などを行っています。
全国の専門家と連携し、安心して終活を進められる環境を整えています。
また、終活ガイド資格を通じて、キャリアアップやセカンドキャリアの支援も行っています。
特徴
● 母体は株式会社。
● 全国47都道府県に支部。
● リーズナブルな価格設定のため、資金計画が立てやすい。
● ネット広告を活用した集客により、知名度が高い。
● 第三者機関である契約保全会社により、倒産や経営困難な状況になっても、契約した内容が保護されるので安心。
● 寄付を受け取らない。
サービスプラン
心託プラン
1. 安心プラン
入院・施設入居に緊急連絡先の指定や、身元保証や連帯保証を求められているが用意できない方。(身元保証)
2. 万全プラン
自分が亡くなってしまった時、親戚など周りに迷惑をかけたくないので備えておきたい方。(死後事務)
3. 完璧プラン
すべてを安心・万全に備えて、これから先の人生を安心して謳歌したい方。(身元保証+死後事務)
【引用】:一般社団法人 終活協議会
NPO法人系の高齢者等終身サポート事業者
認定NPO法人きずなの会
2022年に愛知県から認定された「きずなの会」は、認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)です。
高齢者や障がい者と「生活支援等契約」を結び、病院や福祉施設、賃貸住宅への入院・入居時に身元保証を提供します。
さらに、生活支援や金銭管理、緊急時の支援から葬儀・納骨まで、24時間・365日対応しています。
市民を代表する理事会が健全な運営を監査し、経済的に困難な方々を支援するために「きずなの会福祉基金」を設けています。
特徴
● 母体はNPO法人。
● 愛知県、岐阜県、滋賀県、大阪府、静岡県、東京都、埼玉県、神奈川県に拠点があり、全国に16の支局・事務所を展開している。
● NHKやテレビCMで放送されたことにより、知名度が高い。
● 運営20年以上の実績がある。
● 預託金は法律事務所が管理。
● 寄付を受け入れている。
サービスプラン
身元保証
入院・退院、入居などの際、ご家族・ご親族に代わり、きずなの会が身元保証をお引き受けします。
生活支援
緊急を要する病気やケガなどがあった場合、24時間365日きずなの会が支援いたします。
葬送支援
万一のときも、葬儀場の手配から葬儀、納骨まで、一貫してきずなの会がお手伝いいたします。
弁護士法人による支援
預託金管理、金銭管理、後見人契約などをサポートしています。
【引用】:認定NPO法人きずなの会
最後に
NPO法人系や福祉法人系の事業者は、フットワークが軽いというメリットがある一方で、寄付に依存して運営されているケースが多いのも特徴です。
また、一部の事業者では契約内容が不十分で、身元保証契約書のみで死後の対応や財産管理を引き受けるケースも見られます。
令和6年に身元保証に関するガイドラインが制定されたことで、これまでの不備が改善され、事業者は運営方針の見直しが進むとされています。
今後、法律が整備され、高齢者等終身サポート事業者には許認可制や届出制などの法的制限が設けられることが予想されます。
これにより、健全な高齢者等終身サポート事業者だけが残り、事業者の質が向上し、安心してサービスを利用できる環境が整います。
信頼できる事業者が増え、悪質な事業者が排除されることで、健全な競争が促進されることが期待されます。