不要な不動産を処分するための最適な方法
相続登記の義務化によるお困りごと
相続登記の義務化によって必ず相続人へ名義変更をしなければならなくなったものの、様々な事情によって「不動産を手放したい!」というお考えの方もいらっしゃいます。
不動産価値が高いものについてはすぐに買手も見つかりますが、下記のような不動産の場合、手放すことが難しいのが実情です。
手放すのが難しい不動産の手放し方の全体像
ここでは、手放すのが難しい不動産の手放し方について、全体像をお伝えをさせていただきます。
不動産の手放し方は、売却・贈与・相続土地国庫帰属制度と様々な方法が挙げられます。どのような方法で進めていくのが良いのか、専門家と確認をしながら進めていくのをおすすめします。
相続せざる得ないので、相続してから不動産を処分したい
売却
地域の不動産会社による仲介や買取!
相続した不動産を手放したいと思ったら、まずは地域の不動産会社で仲介が可能か確認してみましょう。
近隣不動産の売却実績があるなど、流通の見込みがある不動産は、地域の不動産会社で仲介が可能な場合があるほか、仲介が難しい場合でも、不動産会社で買い取ってもらえる場合もあります。
贈与
近隣の方に売却または贈与!
不動産の価値がつかず、地域の不動産会社では仲介や買取が難しいと言われてしまった土地でも、隣家や向い側の家の人など、近隣の方には車庫や畑として使用したい!というニーズがあるかもしれません。
しかし、いきなり訪問して「不動産を引き取ってください」とお願いしても、多くの方は警戒して話を聞いてくれません。
不動産を手放したい事情や不動産の情報、連絡先をまとめたチラシが有効です。
有償処分
相続登記を申請して相続人名義にした上で、地域の不動産会社や近隣の方に有償で引き取ってもらう。
相続土地国庫帰属制度
一定の要件を満たせば国に返還も可能!
一定の要件を満たす土地(下記に該当しない土地等)については、国に返還できる制度(相続土地国庫帰属制度)が令和5年に創設されました。
地域の不動産会社や近隣住民にも引き受けてもらえない場合には、相続土地国庫帰属制度を検討しましょう。
相続土地国庫帰属制度を利用するにはお金がかかる!
法務局で国庫帰属が可能かどうかを審査する際、1筆の土地当たり1万4,000円の審査手数料を納付する必要があります。
審査が不承認(引き取らない)となった場合でも、手数料は返金されません。
そのため、申請前に法務局へ事前相談を行い、ある程度の確信を得てから申請するようにしましょう。
審査は、書類審査をしてから、現地の審査をします。
もしかしたら、書類審査で落とされることもあります。
法務局による審査を経て承認されると、10年分の土地管理費相当額の負担金を納付する必要があります。
宅地 (注1) | 面積に関わらず、20万円
ただし、一部の市街地(注2)の宅地については面積に応じ算定(注3) |
田、畑 | 面積に関わらず20万円
ただし、一部の市街地(注2)の農用地区域の田、畑については面積に応じて算定(注3) |
森林 | 面積に応じ算定(注3) |
その他
※雑種地、原野等 |
面積に関わらず20万円 |
(注1)直ちに建物の敷地として使用できると認められる土地
(注2)都市計画法の市街化区域又は用途地域が指定されている地域
(注3)面積の単純比例ではなく、面積が多くなるにつれ、1m²当たりの負担金額は低くなる
相続土地国庫帰属法の申請書等作成の代行を行えるのは、弁護士、司法書士、行政書士に限られています。
不動産を相続したくないなら相続放棄
プラスの財産も含めて、亡くなった方の財産を一切相続しません。
家庭裁判所に対して相続放棄の申述をします。
農地(田畑)でお困りの方は、こちらをご覧ください。
「不要な農地の手放し方とは?田畑をスムーズに処分する方法」
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