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不要な農地の手放し方とは?田畑をスムーズに処分する方法

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農地を手放したいと考えているかたは、非常に多いです。

 

農地を相続したが、ずっと不耕作地状態なので手放したい…

 

農地を相続したが、居住地から遠方にあるので手放したい…

 

農地を相続したが農業をするつもりはないので手放したい…

 

相続した農地を子供に相続させる前に自分の代で処分したい…

 

生前のうちに、農地をきれいに処分したい…

 

農業委員会から、放置された農地の草刈りを要請する連絡が来る…

 

処分したいがどうすればいいのか。

 

お金を支払ってでも手放したいとお考えの方は多くいらっしゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

農地を手放すのは大変

 

農地を手放すには法的な制限や条件があるため、とても難しいです。

 

日本の食料自給率を支える農地を確保するため、宅地や山林と同じような方法で農地を手放すことはできません。

 

農地は原則として、地元の農業従事者にしか売却や譲渡をすることができません。

 

農地を農地以外の地目(土地の用途)にしたうえで売却するとしても、農業委員会の許可が必要です。

 

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不動産屋さんは農地を扱ってくれるか?

 

不動産会社が農地を扱うことは少ないです。

 

農地を取り扱うと宣伝している不動産会社でも、実際には転用可能な農地以外は断られることが多いです。

 

これは、農地を手放したいという方が増えている中、不動産の仕入れがしやすくなるため、農地を取り扱うと謳っているのだと考えられます。

 

もし農地を扱ってくれる不動産会社が見つかったら、そのまま農地として売却できるか、農地転用後に売却するかを相談してみましょう。

 

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農地を手放したいときの最適な手順と注意点

 

農地(田畑)の持ち主が亡くなって間もない場合は、相続放棄を検討してみてください。

 

相続放棄ができる期間が過ぎてしまった場合は、次の手続きを進めましょう。

 

※相続放棄は、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。

 

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1. 第一に、地元の農家さんに譲渡できるかお願いする

 

地元の農家さん(お隣さん)とのつながりがあれば相談できますが、ない場合は市役所内の農業委員会に相談してみてください。

 

ただし、農業委員会の事務局の職員は公務員であり、農地の売買に詳しくないこともあります。

 

そのため、適切な対応がされない場合もあるかもしれません。

 

その際は、職員に「農地の斡旋をお願いしたいので、地区の農業委員の方を紹介していただけますか」とお願いしてみましょう。

 

職員の方も、農業委員を紹介してくれるはずです。

 

また、地元の農家の方々も地元の農業を守りたいと考えているため、親身に対応してくれるでしょう。

 

もし可能であれば、無料でも構わないので、引き取ってもらいましょう。

 

断られる可能性は高いかもしれませんが、引き取ってくれる方を探してみてください。

 

 

※農業委員会は、農家が選出した農家代表者と、市町村長が任命する学識経験者などで構成されています。月に一度総会を開き、農地の許可等に関する決定を行っています。

 

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農地を別の農家さんに移転させる手順

 

< 今後も農地として使用するが、別の所有者に変える場合 >

 

STEP1. 農地を譲り受けてくれる農家さんを見つける

 

 

 

STEP2. 譲り受けてくれる農家さんがいたら、農業委員会へ事前相談をする

 

農業委員会で次のことを確認してください。

 

・ 「青地(農業振興地域内農用地区域内農地)なのか、白地(農業振興地域内農用地区域外農地)なのか」

 

・ 「農地区分は第何種農地なのか」

 

・ 「市街化区域なのか、市街化調整区域なのか」

 

・ 「農地転用は可能なのか」

 

 

 

STEP3. 農地の売買契約書を作成する

 

 

 

STEP4. 農業委員会へ農地法第3条許可申請をする

 

・市街化調整区域 → 許可申請が必要

 

・市街化区域 → 届出だけで完了

 

 

 

STEP5. 農業委員会から許可証を受け取ったら法務局で所有権移転登記をする

 

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2. 相続土地国庫帰属制度を利用する

 

地元の農家さんに引き取ってもらえなかったら、相続土地国庫帰属制度を検討しましょう。

 

田畑がある場合は、有効な解決策です。

 

 

事例

 

地目 : 畑

 

農地区分 : 第2種農地 (白地)

 

市街化調整区域

 

河川区域

 

※河川区域とは堤防の内側を指すため、その区域内では工作物や太陽光パネルなどを設置することはできません。

 

依頼者からのご相談:「電気も水道もないため、早く手放したい。」

 

 

 

相続土地国庫帰属制度の時系列

 

STEP1 法務局へ相続土地国庫帰属制度について相談

 

土地の状況を把握し、承認要件に該当するかを調査します。

 

その後に、法務局へ相談の予約をお取りください。

 

土地国庫帰属制度の要件はこちら【法務省:相続土地国庫帰属制度の概要 「相続土地国庫帰属制度のご案内(第2版)】

 

 

 

STEP2 相続土地国庫帰属の承認申請書を提出

 

申請書のダウンロードはこちら【法務省:相続土地国庫帰属制度の概要】

 

審査手数料の金額は、土地一筆当たり14,000円。

 

提出前に法務局へ連絡が必要です。

 

法務局は提出された書類を審査し、必要に応じて実地調査を行います。

 

この調査では、申請された土地の状況や境界について確認が行われます。

 

隣地所有者とのトラブルを回避するために、あいさつ回りをしておきましょう。

 

 

 

STEP3 法務局から異議の面談

 

場合によっては、法務局が申請時に添付する写真付きの図面を隣接地の所有者に送ることがあります。

 

この図面を見て、隣接地の所有者が境界について異議を唱えた場合は、連絡が届きます。

 

 

 

STEP4 異議があった場合は、補正書類を提出

 

異議が境界に関するものであれば、境界を明確にするために杭を打ちます。

 

ただし、簡易的な測量を行うことはあっても、立会いが必要な確定測量まで行う必要はありません。

 

 

 

STEP5 農林水産省の現場調査

 

法務局の職員と農水省の職員が調査します。

 

・土地から道への状況確認

 

・境界杭の位置が申請書と一致しているか確認

 

・切り株などの有体物はないか確認

 

・地面に違和感がないか確認

 

これらのことを調査します。

 

季節にもよりますが、土地の判別が難しくなるため、期日までに草刈りをしておきましょう。

 

 

 

STEP6 法務局から依頼者へ承認の連絡

 

「決定兼負担金額通知書」と「払込票」が送られてきます。

 

※通知が到達した日の翌日から30日以内に負担金が納付されないと、承認が失効します。

 

 

 

STEP7 登記が完了しているか確認

 

振込から完了までに約3週間以上かかります。急ぎの場合は、負担金を振り込んだ後に、法務局へ振込完了の連絡をすると良いでしょう。

 

所有権移転登記は、国において実施します。

 

登記簿の「権利者その他の事項」に、

 

「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律第11条第1項の規定に基づく令和○年○月○日所有権の国庫帰属
所有者 農林水産省」

 

と記載されているか、確認しましょう。

 

 

通常、申請から登記まで約8~12月ぐらいです

 

 

 

 

それで相続土地国庫帰属制度はどうなの?

 

⦿ 時間的には、売却と相続土地国庫帰属制度を比較しても、それほど大きな差はなさそうです。

 

 

⦿ お金に関しては、相続土地国庫帰属制度では不動産登記費用や確定測量費用、不動産仲介手数料はかかりません。

 

ただし、審査手数料と負担金に加えて、草刈りや専門家による境界杭の設置費用、報酬などが発生する可能性があるため、総額を比較する必要があります。

 

 

⦿ 段々畑のような農用地であれば、ぜひこの制度を活用すべきです。

 

一度に申請しても20万円しかかからないため、非常にお得です。

 

 

⦿ 農地が青地の場合、国庫帰属制度を利用しないと、1年以上かかる農振除外の手続きが必要です。

 

さらに、農振除外が認められてから農地転用を行う必要があり、非常に手間がかかります。

 

しかし、相続土地国庫帰属制度を利用すれば、農振除外の手続きも農地転用も不要です。

 

ただし、青地の場合はかなりの費用がかかります。青地が1000㎡以上の広さでしたら、費用は100万円を超えることが想定されます。

 

問題は、この金額を支払えるかどうかです。

 

 

 

現在の相続土地国庫帰属制度の実情としては、申請ができない土地や帰属が承認されない土地が圧倒的に多い状況です。

 

また、承認申請をしても、必ずしも承認されるとは限りません。

 

要件は厳しいかもしれませんが、相続土地国庫帰属制度でしか解決できない農地があるなら、ぜひ利用を検討してみてください。

 

 

 

 

最後に

 

「農地をそのまま放置しても今のところ問題ないし、固定資産税も安いから特に困らない」という方もいらっしゃいます。

 

しかし、近年は自然災害が増えているため、放置するのはリスクが高いです。

 

周囲の方に迷惑をかけてしまう可能性があり、農地の管理責任は相続人にあるため、損害賠償責任を負う可能性もあります。

 

農地を処分したいと考えているなら、今から行動を始めましょう。

 

 

 

 

不要な不動産を処分したい方は、こちらをご覧ください。「不要な不動産を処分するための最適な方法」

 

 

 

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